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──今から2年前。
世界中で同時多発的に、ゴルファーたちが不可思議な『超能力』に目覚め始めた。
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ある者は、炎をボールにまとった超長距離ショットを。
ある者は、生命が宿っているかのような変幻自在のショットを。

『GIFT(ギフト)』と名付けられた超能力は、不思議なことに
「ゴルフのコース上でのみ」「一部のゴルファーだけ」が使うことができた。

テレビ局は連日、この『超能力ゴルフ』をこぞって中継した。
超能力を見たさに、多くの人々がゴルフ場に押し寄せ、大混乱が続いていた。
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たまらないのは、ギフトの能力を持たないプロゴルファーたちである。
人間離れをしたギフトの前では、通常のゴルフではとても勝負にならなかった。

ゴルファーたちはギフトの使用の禁止を求めてストライキを起こした。
一方で、ギフトが金儲けに使えると踏んだ資本家は、次々とギフトゴルファーのスポンサーになった。
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ゴルフコースという世俗から隔離された空間が、ギフトを使った賭博や犯罪の温床となるまでには、さほど時間は掛からなかった。
健全なスポーツとしてのゴルフは、このまま消えていくしかないのだろうか。
ゴルフを愛する人々が絶望に打ちひしがれていたとき、立ち上がった少女がいた。
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彼女の名は、川村愛梨亜(かわむらありあ)。
アイドル活動をしながらプロゴルファーを目指している14歳の少女だった。

川村愛梨亜はLPGA(日本女子ゴルフ機構)の広告塔として各方面で活動をし、
健全なギフトゴルフ大会の運営と、ギフトを持たないゴルファーの地位確保、
違法な闇ゴルフの取り締まりに向けて、象徴的な役割を果たしていった。
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────そして、現在。
ギフトをめぐる狂乱は、すっかり落ち着きを取り戻していた。
人々はエンターテイメントとしてのギフトゴルフを純粋に楽しみ、
それをきっかけとして、趣味のゴルフを始めるようになっていた。

日本、そして世界のゴルフ人口は、未だかつてない勢いで急増し、
世はまさに空前のゴルフブームを迎えようとしていた。

……しかし!
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ゴルフの世界に忍び寄る闇が、完全に消え去ったわけではなかった。
鳴りを潜めていたように見えた違法ゴルフは、巧妙に地下へと潜ったに過ぎない。
他人の希望を喰らい、世界を我が物にしようと企むゴルファーが、狡猾に地上のゴルファーたちを狙っていた。

この物語は、そんなゴルフ激動の時代を戦い抜く、少女たちの記録である。

















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